SERVICE 事業内容
PFAS分解浄化事業
PFAS(有機フッ素化合物)について
PFASは人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で、約1万種類あるといわれています。
自然界に放出されるとほとんど分解されないまま残り、生物に取り込まれると体内に蓄積しやすいことが判明しています。そのため「永遠の化学物質=フォーエバーケミカル」とも呼ばれるようになり、管理のあり方が国際的に議論されています。
PFASは、他の物質では代替困難な優れた物理化学的性質を持っており、耐熱性、対候性、耐薬品性、撥水性、撥油性などの優れた特性を有することから、織物製品、医療機器、電子機器、半導体製品、建築用製品、潤滑油など幅広い用途で使用されています。
しかし、PFASが生物の体内において、細胞間の物質の伝達疎外や発がん性物質等、生体に有害な作用を指摘されており、世界的に使用禁止への取り組みが進められています。
欧州や米国ではPFASに対する規制が厳しくなるにつれ、PFASの生産に携わる企業 に対して、健康被害や環境被害に関連する訴訟が後を絶しません。米国の3M社は本社のあるミネソタ州で、2018年にPFASの生産が飲料水汚染と天然資源を損害したとする訴訟で、同州に対して8億5,000万ドル(約1,270億円)また、米国化学大手デュポン社は6億7,070万ドル(約765億円)の和解金を支払っています。
これらの動きを経て、2024年4月、米国環境保護庁(EPA)はPFOS、PFOAそれぞれを4ng/Lに法規制を強化し、PFAS汚染から1億人を守るための初の全国飲料水基準を決定しました。また、EUでも全面禁止の動きが活発になっています。
日本では2020年にPFASを公共用水域及び地下水における人の健康の保護の監視項目(第1種特定化学物質)に指定され、50ng/L以下と定めていますが、未だに暫定の指針値であり、法規制はされていません。
PFASは、他の物質に代替することが難しく、規制動向によっては大きな影響を日本社会に与えるといわれています。
PFAS処理の現状
水に含有されたPFASを除去するには、現在は活性炭等を利用して回収をしています。
ほとんどのPFAS成分を回収可能ですが、使用済みの活性炭を適切に処理(1000℃以上の高温で焼却(※))しなければ、染み込んだ有機フッ素化合物を再び環境に解き放ってしまいます。
また、活性炭の吸着能力が無くなれば、交換する必要があり、高額な交換費用を負担しなければなりません。
※環境省が令和 4 年 9 月に策定した「PFOS 及び PFOA 含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」では、PFOS や PFOA の分解処理方法として約 1,000℃以上(約 1,100℃以上を推奨)の焼却処理が想定され、分解効率(99.999%以上)や管理目標値などの要件が示されています。
プラズマについて
物質は与えるエネルギーによって固体から液体、液体から気体へとその姿を変えていきます。
気体にさらなるエネルギーを与え続けると、気体中の原子や分子が電離し、プラスの電荷を持つ「正イオン」とマイナスの電荷を持つ「電子」に分かれた状態になります。
この状態を「プラズマ」と呼び、固体、液体、気体に続く第4の状態と言われています。自然現象であれば「カミナリ」や「オーロラ」などがプラズマの一種です。
人工的に生み出されたプラズマは、光・熱などの化学反応に幅広く活用できます。
具体的には蛍光灯などの照明器具、プラズマ溶接、樹脂の表面処理、フィルムの表面処理等に使われています。
さらに工業界で活用されるプラズマは、大きく分けて「高温プラズマ」と「低温プラズマ」の2種類あります。
高温プラズマの温度は数千~数万℃に達し、その熱エネルギーを利用して核融合や、溶接・切断・溶射などに使われます。
一方、低温プラズマの温度は常温で、表面改質や洗浄、殺菌・消毒などに活用されています。
水中プラズマによるPFASの分解原理
通常のプラズマは高温、高エネルギーによって原子核と電子が分離している状態ですが、低温プラズマは電子の運動エネルギーは大きく、多少電離している状態にありながら「イオンや分子の熱エネルギーが小さくて温度が低い」という状態にあります。
弊社の水中プラズマ放電技術は、独自のパルス放電システムにより高電圧プラズマを発生させ、特殊なリアクターによって水中の有機フッ素化合物等の化学結合を不安定化させることで、瞬時に分解~または無害化することができます。
更に低温プラズマにより水中に発生したラジカルOHによる強力な酸化反応で、難分解性有機化合物を二酸化炭素や窒素、水などに化学分解することが可能です。
PFASの特性は、主に炭素原子Cとフッ素原子Fの最も強い結合(C-F結合)に由来するものです。フッ素は強い酸化性を有しているため、あらゆる元素と結合しやすく、そのまま放出されると更なる公害問題になりかねません。
そこで、独自に開発した特殊なイオン交換樹脂により、微量に残留した物質やPFASを極限まで回収し、安全な水を自然界に戻します。
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プラズマとは
プラズマは、原子や分子がイオンと電子に分離した物質の状態を指します。固体、液体、気体とともに物質の第4の状態として知られ「カミナリ」や「オーロラ」、蛍光灯やネオンサインもプラズマです。 製造業界で活用されるプラズマは、大きく分けて「高温プラズマ」と「低温プラズマ」の2種類あり、低温プラズマの温度は常温で、表面改質や洗浄、殺菌・消毒などに活用されています。
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ラジカルOHの生成
ラジカルOHはヒドロキシ基(水酸基)に対応するラジカルであり、プラズマや紫外線によって生成されます。活性酸素と呼ばれる分子種の中で最も酸化力が強く、糖質やタンパク質、脂質など、あらゆる物質と反応し、化学的活性種有機物の(一C結合(C:炭素)をも切断できます。国内の大手電機メーカーが各種空気清浄機などに起用し、有害物質除去に役立てています。
PFAS分解浄化システム
システム構成機器
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プラズマ反応槽
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プラズマ放電部
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制御盤
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PFAS吸着タンク
システム仕様
プラズマ発生方式 | パルス放電システム |
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消費電力 | 15A / 単相200V |
電圧 | 1~20kV |
周波数 | 350MHz |
処理水量 | 100~150L/min |
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タンク材質 | SUS製 |
材質 | 特殊樹脂 |
接触タンク | 20~50L(FRP製) |
PFAS分解浄化システムでの分解~吸着試験データ
水中プラズマ放電及び特殊吸着剤による、PFOS、PFOA、PFHxSの分解・吸着試験を行ったところ、PFAS類の残留数値が国の暫定指針値(50ng/L)を下回り、不検出であることが証明された。
(ng/L)
PFAS類 | 原水 | 分解~吸着後 |
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PFOS | 63,000 | ≦5 |
PFOA | 4,100 | ≦5 |
PFHXS | 4,900 | ≦5 |
※水環境に関する指針値(暫定)は50ng/L
動画で知る 水中プラズマ放電状況
ソリューション事業
MNB排水処理システムは、フッ素に次ぐ強力な酸化反応を持つ「オゾン」と、「マイクロ・ナノバブル」の圧壊作用によるフリーラジカルによって、排水中の有機物を直接分解した後、活性炭含有担体による高効率な微生物処理を行うことが可能です。
BOD・COD・n-Hex・SSを大幅に低減することができ、従来では考えられなかった省エネルギーと汚泥減容を可能にしたシステムです。
新時代の排水処理システムとして、小さな浄化槽から大規模な工場排水処理まで、様々な排水処理に対応できます。
また、既存の施設を改造することなく、調整槽や曝気槽をそのまま利用して設置できるため、大規模な工事を行う必要がありません。
ランニングコストも電気料とメンテナンス費用のみであり、コストを大幅に削減することが可能です。
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